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テンプレート:Portalクラッシャージョウ』は、高千穂遙作で朝日ソノラマから刊行されたSF小説シリーズ。80年代前半の日本のスペースオペラを代表する小説。挿絵は安彦良和

1979年漫画が、1983年劇場用アニメーションが、1989年OVAが作成された。

テンプレート:ネタバレ

概要編集

舞台は2160年。恒星間飛行を開発した人類は、数多くの太陽系に植民して銀河連合を形成するまでになった。その宇宙時代に惑星改造(テラフォーミング)を発端に「宇宙のなんでも屋」として活躍する職業集団はクラッシャーと呼ばれている。主人公ジョウとその仲間達はクラッシャーのチームのひとつとして様々な事件に挑む。クラッシャーは犯罪以外なら報酬次第で何でも引き受けるため、人によっては“荒事さえやるならず者”と見る事も。シンボルマークは「流星マーク」と呼ばれる、3本の光条を引いて飛ぶ山吹色の流星。チームシンボルはこれにリーダーのイニシャルの飾り文字を組み合わせる。メンバーはクラッシュジャケットと呼ばれる共通のデザインの制服を着用している。このジャケットは個人別に上衣の色が異なり、個人識別に使用される。また防弾耐熱で簡易宇宙服にもなり、様々な隠し武器が装備されている。第1巻には、カラーごとに異なる波長の熱波を放射していて、追跡に利用できるという記述があるが、隠密行動の際などに不都合なためか、その後この設定は使用されていない。

登場人物編集

ジョウ(声:竹村拓
惑星アラミス出身。
西暦2142年生 19歳 身長180cm 体重75kg。ミネルバの機長・副操縦士・火器管制担当。ジャケットは青。
生え抜きのクラッシャーで、若年ながらチームリーダーを務める。スペースシャトルに酷似した外観をもつ専用宇宙船「ミネルバ」を拠点に活動する。父親はダン、母親はユリア。若くして特Aクラスのクラッシャーとなった技量の持ち主。
タロス(声:小林清志
地球出身。
西暦2109年生 52歳 身長209cm 体重132kg。ミネルバの主操縦士。ジャケットは黒。
ジョウの父ダンの片腕を務めていた超ベテランクラッシャー。度重なる名誉の負傷から体の80%以上を機械化したサイボーグ。おかげで、若い頃は男前だった外見が、今では殆どフランケンシュタインの怪物と化しているとの評。左腕にはガトリング砲を内蔵。凄腕のパイロットで、連合宇宙軍からもスカウトの声がかかった程の操船技術を誇る。ダンの信頼も厚く、彼の引退時には盟友ガンビーノと共に若いジョウの後見役を仰せつかって仲間となった。当初は疲れ知らずのタフ・ガイだったが、物語が進むにつれてやや設定が変わり、後期の作品では鈍重でスタミナのないウドの大木的な扱いをされる事が少なくない。
リッキー(声:小原乃梨子
惑星ローデス出身。
西暦2146年生 15歳 身長140cm 体重36kg。ミネルバの機関士。ジャケットは緑。
孤児であり、ストリートキッドとして育ったためか、体格は小柄で、すばしこいが非力である。ジョウたちの船へ忍び込んでクラッシャーになった。タロスとは年代差を越えた喧嘩友達で、大人と子供以上の体格差があるにも関わらず、果敢に喧嘩を挑む。しょっちゅうタロスと喧嘩してはアルフィンにこっぴどく怒鳴られるのが常。アルフィンが酒乱モードに入った時には、タロスと共に甚大な被害を受ける。アルフィンがミネルバに密航し、仲間になりたいと申し出た時には、自分の前例を根拠に賛成し、渋るジョウを説得したためにアルフィンが仲間になれたという功績を持つ。なお、機関士とは、本来新入り用のポジションであるとの事。「悪霊都市ククル」は、彼の故郷が舞台である。他にも後期の作品では見せ場が回ってくる事がやや多くなってきている。
アルフィン(声:佐々木るん
連帯型惑星ピザン出身。
西暦2144年生 17歳 身長163cm 体重48kg。ミネルバの航法士。ジャケットは赤。
王制を敷いているピザンの元王女。ただし世襲制ではない上に、候補者たる満3歳の全国民に対し一斉に行われる適性検査で落とされたため王位継承権は無い。ミニグラマーで金髪碧眼、ミス・ギャラクシー級の超美少女で、「ワームウッドの幻獣」では実際にミスコンに出場している。とんでもないお転婆娘でしかも酒乱癖があるため仲間、特にリッキーを恐れさせている。なお、クラッシャージョウの世界では17歳の誕生日から飲酒が許される。ピザン軍の情報将校ガラモスがクーデターを起こした際、銀河連合へ助けを請うべく独り小型ロケットで脱出させられたが、燃料切れを起こして漂流している所をジョウたちに救われ、ピザンの解放を依頼する。クラッシャー・ガンビーノ亡き後、押し掛けで彼らの仲間になった。積極的にジョウへアタックするものの、なかなか良い雰囲気にはならない。
ドンゴ(声:二又一成
惑星ドルロイ製。
T:112.5cm W:121kg。ジョウ達のサポートロボット(Type : MAB 8945-GP)。
ジョウらが船外で活動する際は留守居役、また戦闘で損傷したミネルバ等の修理担当を務める。ミネルバを操縦して駆けつけ、チームのピンチを救う事もしばしばである。ユニークな外見に似合わず、技術惑星ドルロイの優秀なテクノロジーの粋が結集されている。元々はダン達の宇宙船「アトラス」のために作られ(「ドルロイの嵐」でザルバコフ技師長からプレゼントされた)、ダンの引退後にジョウのミネルバへ。バードいわく「人情のある」ロボット。口癖(?)は「キャハ」。映画版では留守番中エロ本を読んでいた。
ダン(声:久米明
最初にクラッシャーと呼ばれた男。ジョウの父親。クラッシャー評議会議長。
クラッシャーの黎明期に勇名を轟かせたが、ある事件で失敗し重傷を負って脱出不可能になった時、当時10歳だったジョウに命を救われた事で体力の限界と時代の変化を悟って引退。現在は惑星アラミスでクラッシャー評議会議長として、後進の指導とクラッシャーの地位向上運動に専念している。アトラスでの愛称はおやっさん。ほぼ同時期にデビューし、“地獄の三姉妹”を娘にもつクラッシャーエギルとは、現在も公私にわたり良きライバルである。なお、彼の専用宇宙船「アトラス」は、ジョウの「ミネルバ」とほぼ同型の水平型宇宙船で、外見上の相違点は尾翼がミネルバの2枚に対して1枚であること。原作5巻で失われる。なかなかの策士であり、ジョウが気がつけばダンの手のひらで踊らされていたことが度々ある。
バード(声:小林修
アトラスの元機関士。連合宇宙軍中佐。特殊工作船ドラクーン艦長。
元はダンの仲間の一人でアトラスの優秀な機関士だったが、タロスと奪い合っていたケイ[1]と結婚する為に危険なクラッシャー業から足を洗っており、彼の後に、クラッシャードレイクがチームに在籍していた時期があったらしい。しかし、短い新婚生活で彼女を失い、その後は義父の薦めで連合宇宙軍に入隊した。「なるべく危険な任務を」志願した結果、現在は情報部情報2課所属、階級は中佐。特殊工作船「ドラクーン」の艦長。乗艦は登場するたびに完全破壊されている。
コワルスキー(声:納谷悟朗
連合宇宙軍大佐。巡洋艦(劇場版では重巡洋艦)コルドバの艦長。
頑固で融通の利かない典型的な職業軍人で、クラッシャーをならず者と見做している。ジョウらを宇宙海賊容疑で逮捕し、しつこい取り調べでジョウを辟易させる。原作では第3巻で乗艦もろともブラックホールに吸い込まれ殉職する。映画版とそのノベライズ「虹色の地獄」ではジョウたちを犯罪者とみなして追う役ながらも憎めない人物として活躍。
ガンビーノ
元はダンの仲間の一人。ミネルバの初代航法士。ジョウの後見役。
若年のバードとは、後年のタロスとリッキーの如き迷コンビだった。ダンが引退の折、タロスとともにジョウの後見役としてチームに残留。外見は白髪白髭の好々爺だが、実際にはかなりの深慮を持つ人物。口癖は「ワシの若い頃は~」。すでに相当の高齢となっていたためにミネルバでは殆ど前線に出る事はなく、厨房が主担当となっていた。ピザンの事件では脱出不可能の事態に陥りつつあったジョウを救うために敵の只中に飛び込み、ジョウの眼前で壮絶な戦死を遂げる。彼の亡き後はアルフィンが航法士およびコックの席に座る事になった。

小説編集

朝日ソノラマの解散によりソノラマ文庫が廃刊になり、2008年9月よりハヤカワ文庫安彦良和の表紙をリニューアルし改再刊行。新たに口絵も挿入されたが、挿絵は当時のものである。2009年11月には、10巻目が出された。

  1. 連帯惑星ピザンの危機(1977年作・2000年に改訂)
  2. 撃滅!宇宙海賊の罠(1978年作・2001年に改訂)
  3. 銀河系最後の秘宝(1978年作・2001年に改訂)
  4. 暗黒邪神教の洞窟(1978年作・2001年に改訂)
  5. 銀河帝国への野望(1978年作・2002年に改訂)
  6. 人面魔獣の挑戦(1979年作・2002年に改訂)
  7. 美しき魔王(1983年作・2002年に改訂)
  8. 悪霊都市ククル(上)(下)(1989年-1990年作・2002年に改訂)
  9. ワームウッドの幻獣(2003年作)
  10. ダイロンの聖少女(2005年作)
  • 別巻
    1. 虹色の地獄(1983年作・2003年に改訂) - 「劇場版」のノベライズ
    2. ドルロイの嵐(ソノラマ旧版では「外伝」、1986年作・2003年に改訂) - 現役時代のダンと彼のチーム(タロス・バード・ガンビーノ)がダーティペアと共演するエピソード。ケイの一人称で描かれた「ダーティペアの大乱戦」と同一の事件をクラッシャー及び第三者的視点で描いたもの。

アニメ編集

劇場版編集

テンプレート:雑多な内容の箇条書き

安彦良和の初監督作品。企画から4年がかりで製作され、1983年3月12日松竹富士系にて公開された。同時期に『幻魔大戦』『宇宙戦艦ヤマト 完結編』(一週遅れて3月19日公開)と公開が重なり、「1983年春のアニメ映画興行戦争」と呼ばれた。この3作品で興行成績は『幻魔大戦』がトップで、次いで『宇宙戦艦ヤマト 完結編』となり、本作は3位だった。

サンライズの矢立肇によると通常の劇場アニメはビスタサイズに対応した動画用紙を使うが、当時のサンライズの場合は通常の動画用紙の上下を切った「貧乏ビスタ」を使っていたそうである[2]。本作も同様である。

安彦を中心に設立された作画スタジオ・九月社が本作の作画の中核を担った。九月社には安彦の信頼が厚いアニメーターが籍を置いて作画に当たり、実に全体の半分を手がけたとの事である。[3]九月社で作業をするアニメーターにはそれぞれ担当キャラクターが割り当てられ、そのキャラクターが活躍するシーンでは担当アニメーターが原画をメインで手がけるというスタイルが取られた。例えばヒロイン・アルフィンが画面を占めるシーンの原画は佐藤元が主に手がけている。[4]

また部分的にCGも導入されている。この際使用されたコンピュータは、佐藤元の私物の日立ベーシックマスターレベル3との事。[5]

アニメファンの支持を集め、「アニメージュ」が主催する第6回アニメグランプリ大賞を獲得した。

キャストについては、高千穂遥のイメージを重視して決定されている。高千穂は映像化に際してのキャスティングは原作者の意志が何よりも尊重されるべきとの意見の持ち主で[6]、当時すでに役者を廃業していた竹村拓が以前所属していた劇団薔薇座で作成したデモテープが何故か選考に紛れ込んでおり、それを聴いた高千穂がジョウ役に抜擢したことが演技の世界に復帰するきっかけとなる。

サウンドトラック『クラッシャージョウ』(JBX-25012)はオリコンLPチャートで最高9位[7]を記録した。

バードやコワルスキーの設定など、原作とは一部設定が異なる。メカニックデザインもスタジオぬえ河森正治が映画用にリファイン・新設定を行った。これらのプラモデルがタカラ(現タカラトミー)と日東科学教材から発売された。巡洋艦コルドバが宇宙で回頭するシーンの作画は、デザインの細かさに作画スタッフだった佐藤元が泣かされたという。

物語の本筋には無関係だが、入国審査の対象者やディスコの客などスタッフが係わったアニメのパロディーや関係者をモデルにしたモブキャラなど、「業界ネタのお遊び」がちりばめられているのも特徴である。衣装・生き物など有名漫画家達が提供したスペシャルデザインも話題作りに一役買った。

劇中でジョウらがダーティペアの映画を観賞するシーンがある。セリフなどから「ダーティペアの大冒険」と推測される。この劇中映画の声優は後年のアニメとは異なり、2人のモデルとなった元スタジオぬえの女性スタッフが演じている。

原作者高千穂遙の意向により、完成前に急逝した当時の日本サンライズ社長の岸本吉功が制作者としてクレジットされている。

スタッフ
主題歌 
  • 「飛翔〈NEVER END〉」
作詞 - 藤原月彦/作曲 - 西松一博/編曲 - ARAGON/歌 - 西松一博 by ARAGON
挿入歌
  • 「BLOODBATH HIGHWAY」
作詞 - LEO/作曲 - 西松一博/編曲 - ARAGON/歌 - 西松一博 by ARAGON

OVA編集

クラッシャージョウ - 氷結監獄の罠編集

1989年2月5日バップより発売。

スタッフ
  • 原作・ダイアローグ:高千穂遙
  • 監督:滝沢敏文
  • 脚本:五武冬史
  • キャラクターデザイン:安彦良和
  • メカニカルデザイン:河森正治、石津泰志
  • 作画監督:平田智浩
  • 美術:岡田有章
  • 音楽:奥慶一
  • 製作:サンライズ

クラッシャージョウ - 最終兵器アッシュ編集

1989年6月5日にバップより発売。

スタッフ
  • 原作・ダイアローグ:高千穂遙
  • 監督:滝沢敏文
  • 脚本:五武冬史
  • キャラクターデザイン:安彦良和
  • メカニカルデザイン:河森正治、宮武一貴
  • 作画監督:平田智浩
  • 美術:岡田有章
  • 音楽:奥慶一
  • 製作:サンライズ

漫画関連 編集

1979年に「マンガ少年」に「宿命のパンドーラ二世」「復讐鬼の葬送」の2作が掲載され、1982年にマンガ少年の後継誌デュオ別冊として出版。漫画家細野不二彦のデビュー作で、当時所属していたスタジオぬえの社長、高千穂の指名で描いたものである。

1983年に書き下ろし「セント・ジェルミの伝説」と合わせて単行本化。

1999年に「セント・ジェルミの伝説」のエピソードをメインに漫画のコマに音響・映像処理をし、声当てをした「まんがビデオ」が発売された。収録時間は80分。

2001年には原稿と「マンガ少年」掲載話を収めた文庫版が発売されたが、内容の加筆・修正・削除をしたため、新旧の画風が入り混じる内容になっている。

脚注 編集

  1. ダーティペアのケイとの関係が噂されるが、真偽は不明である
  2. GREAT MECHANICS 21
  3. 月刊ガンダムエース2011年4月号掲載の、安彦良和と板野一郎の対談より。なおこの対談で九月社の設立が劇場用映画『機動戦士ガンダムII 哀・戦士』の作画作業に当たっていた1981年であった事と、『巨神ゴーグ』の製作終了まで存在していた事も明らかになっている。
  4. 製作当時のアニメージュの記事より。この記事で佐藤は、アルフィンがキーボードを叩くシーンでは女性らしい手や指の動きを心がけて作画した事を語っていた。
  5. 製作当時のアニメージュの記事より。同誌では、公開まで佐藤元や吉永尚之ら所属スタッフの描く漫画やイラスト、そしてコメントで九月社での出来事やこういった制作エピソードを毎号紹介していた。
  6. 後年、自身のインターネットサイトでTVアニメの寸評などを行っていた時にも、『犬夜叉』の一部キャスティングが高橋留美子の意向を汲んで決定した事を例に挙げてこの意見を表明している。
  7. 『オリコン・チャートブック LP編 昭和45年-平成1年』オリジナル・コンフィデンス、1990年、333頁。ISBN 4871310256

関連事項編集

外部リンク編集

tl:Crusher Joe

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